公共の場所での喫煙が広く禁止されるなど、喫煙者にとっては肩身の狭い世の中になってきました。
 家庭内でも煙たがられることが多く、家の中では吸うなといわれ、外で吸ったり、ベランダで吸ったりという喫煙者の方も多いと思います。

 さて、ベランダで喫煙をされている方に、一つ注意をしていただきたい裁判例が最近名古屋で出ました。
 Yさんがマンションのベランダでタバコを吸っていたところ、階上に住んでいたXさんの部屋にタバコの煙が流れ込んだため、Xさんは苦情を言いましたが、Yさんは相変わらずタバコを吸い続け、その後の再三にわたるXさんの苦情にも応じようとしませんでした。
そこでXさんは、裁判所に損害賠償を求めました。
 裁判所は、「マンションの専有部分及びこれに接続する専用使用部分における喫煙であっても,マンションの他の居住者に与える不利益の程度によっては,制限すべき場合があり得るのであって,他の居住者に著しい不利益を与えていることを知りながら,喫煙を継続し,何らこれを防止する措置をとらない場合には,喫煙が不法行為を構成することがあり得る」として、Yさんに対し、Xさんに5万円を払うように命じました。
実は法律相談をしていると、この手の相談はいくつか受けることがあります。
 支払いを命じられた金額は決して大きくないですが、集合住宅のベランダで喫煙される方はご用心を。

今西法律事務所