少年事件で弁護士をつけるということ
少年事件は、成人の事件と異なり、逮捕・勾留されれば家庭裁判所に必ず事件が送られ、多くの場合、観護措置決定が出て、少年鑑別所に身柄が送られることになります。
ところで、少年事件では、建前として、少年の可塑性を信頼する前提の下、少年の更生のためにどのような処遇をすることが適切かと言うことを裁判所が判断することになっており、純粋な刑事事件と異なり、裁判所を相手に何かをしなくてはならないという場面が少ないように思えます。
そのため、少年事件の場合は、弁護士が関与しないで事件が処理されることが多いようです。
ただ、多くの場合、少年は留置場に入るのは初めてで、不安がいっぱいという状態です。
このような状態の少年には精神的な支えが必要ですが、ご家族が忙しくてなかなか面会に行けないと不安を和らげてあげることもままならなくなります。
このようなときに弁護士がついていれば、ご家族の代わりにはなれなくても、頻繁に面会に行くなどして、不安を取り除く役割を担うことができます。
また、不安な状態で警察などの取り調べを受けると、場合によっては警察の取り調べのペースに乗せられ、不利な内容の調書を作られたにもかかわらず、それを訂正等することなく、署名してしまうということもあり得ますが、弁護士がつけば、そのような事態も防ぐことができます。
さらに、弁護士がつけば、弁護士と協力して家庭の事情や少年に有利な事実を集めて、家庭裁判所に伝えることもでき、結果として裁判所の下す判断も異なってくる、ということもあり得ることです。
多くの方は、このような場合、弁護士の費用が気になり、結果として弁護士をつけないという判断をされるようですが、費用等については、国選対象事件については国が負担をすることになりますし、それ以外の事件であっても、日弁連の援助制度を用いることによって、費用の負担を軽減することができますので、弁護士をつけることをおすすめしたいところです。